まちづくりレポート
テーマ:三原市における観光資源の創出
Line1.テーマ選択の経緯

 広島県三原市は築城450年を観光資源に盛り上がろうとしている。しかしながら,高度経済成長に伴う開発により,浮城と呼ばれた名城は,わずかな部分を残すのみとなっており,今後の観光資源をさらに創出していく必要がある。
不定期ではあるが,身近にあるこの街の観光資源を見つけていきたい。

Line2.Slと産業遺産

現在の日本の鉄道技術は、世界的にも評価に値するものとなっている。
この発展の背景には、鉄道網を拡大し、その鉄路を駆け抜けた蒸気機関車がある。
三原市にある糸崎には、戦前から三菱重工業があり、多くの蒸気機関車を製造してきた。かつては扇状車庫があり、長距離列車の停車する主要駅であった。旅客駅というよりも、運転交代などの業務上の停車駅としての役割が大きい。
プラットホームは長大列車に対応した作りとなっており、洗面台や立ち食いそばなどがつい十数年前まで存在した。


Line3.まちおこしの現状

これらの産業を背景とした三原は、現段階では、産業よりも歴史を全面に出しているようである。小早川隆景が三原城を築城して450年という節目に向けて盛り上げようとしている。
三原城は浮城と呼ばれ、現代の埋め立てに値する方法で築城されたものである。
この浮城は、明治維新後の近代化に伴い、城の敷地内を鉄道が貫く形となり、かつての姿はごくわずかしか残されていない。また、山陽新幹線の開通により、その多くはガード下や駅の一部となった。現代でこのような開発はまず不可能だと思うが、経済の発展を優先した結果が今の姿ということになる。


Line4.産業という観光資源

産業を優先した町である以上、産業を全面に出したまちづくりは行わないのだろうか?
かつて街を牽引してきた三菱重工業は現在でも存在する。敷地内には蒸気機関車も残されている。
糸崎は業務メインの駅なので閑散としている。
こういった状況ならば、蒸気機関車が風化しないような車庫(もちろん、一般公開しし、鉄道車庫の趣を出しながら、寛ぐことのできる空間)を糸崎駅に隣接した位置に配置し、実際に稼働している鉄道を眺めることのできる空間を作り出すことが必要なのではないだろうか?


Line5.鉄道車庫とカフェ-日常的にくつろげる空間-

個人的な意見となってしまうが、カフェという空間はコンセプト次第でいろいろな表情を見せてくれるように思う。古民家を再生したカフェであれば、どこか故郷に帰った落ち着きがあったりする。
鉄道の車庫は本来、車両の留置や保守点検のための施設であるが、その空間とカフェとの融合によって新たな雰囲気が作り出されるのではないだろうか。
また、歴史を伝える博物館の要素も加え、企画展などにも対応出来れば、リピーターの獲得を狙うことが出きる。
少ない歴史を掘り出すことも重要だが、産業を牽引した建造物などが評価されつつある今こそ、三原の近代化の原点を残す準備をすべきだと考える。




参考資料

現在のところ,なし